クラウドファンディングを成功に導いたSNS活用事例|SNSを売上につなげる4つのポイント

マーケティング&ビジネス戦略
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こんにちは。イチナナブログのhiro-yanです。

「そろそろウチも本気でSNSをやらないといけないよぁ…」

「でも、FacebookやらInstagramやらTwitterやら…」

「全部手をつけるのは厳しいぞ。いったいどれから始めればいいんだろうか。」

そのような企業様も多いのではないでしょうか。

限られたリソースを有効に使うためには、すべて同時に手を出すよりも、まずは自社の目的にマッチしたSNSを選び、注力したほうが上手く活用することができます。今回は弊社のお客様である個人運営のスイーツ店がクラウドファンディングのプロジェクトで支援額290万円以上(最終着地は300万円以上)を獲得した事例から、SNS運用を売上に変えるために重要な考え方を4つのポイントに絞ってご紹介します。

【実例】クラウドファンディングで290万円以上の支援を集めたスイーツ店のTwitter活用術

本記事の事例は以下のような前提に立っています。

  • 個人で運営するスイーツ店
  • オンラインショップでの販売を検討
  • 新規開店で見込み客ゼロの状態
  • オンラインショップ開設前にクラウドファンディングへ挑戦
  • 見込み客を増やすためTwitterへ挑戦

このように「クラウドファンディング×Twitter」でオンラインショップ開設までの下準備をすることになりました。オンラインショップを開設する前に、テストマーケティングを実施し、有効な施策を検討すること。そしてオンラインショップ開設時にすでに見込み客がいる状態をつくることを目的にしました。

クラウドファンディングとTwitterという切り口ですが、本質的な要素は業種・業態およびSNSの種類を問わないものになっておりますので、そのエッセンスを参考にしていただければと思います。

余談ですが、本事例のオーナーはSNSどころか少し前までガラケーを使用していました。そのような状況でも2ヶ月ほどでうまくTwitterを活用できるようになりました。「SNSを始めるのに少し勇気がいる」という方もいらっしゃるかもしれませんが、まずはアカウントを作成するところからでも始めてみてください。

【ポイント1】フォロワーの多さ=売上ではない

本記事の事例では、クラウドファンディングのプロジェクトで290万円以上の支援額を達成(最終的には300万円を超えました)しました。この成果を出すにあたって、フォロワーの数はどれくらいか想像できますか?

Twitterをゼロから立ち上げて2ヶ月弱、フォロワー数は350人です。1,000や10,000のフォロワーを抱えるアカウントからすると、一見大したことないように感じませんか?

しかし、10,000人のフォロワーがいようとも、売上が立たない企業アカウントもあります。そんな中、350人の質の高いフォロワーのおかげで290万円以上の支援を得ています。

これは単純なフォロワー数ではなく、購入の見込みが高い(=質の高い)フォロワーが何人いるかが大切ということを示しています。また、質の高いフォロワーがついてくれたことで、クラウドファンディングで支援してくれたあと、自発的にSNS上で情報を拡散してくれたことも成果が出た大きな要因です。

 つまり、フォロワーの数ではなく、フォロワーの質に注力したアカウント運営が重要です。

たとえば「フォローされたからフォローし返す」という動機でフォロワーになったユーザーは、そのアカウントに興味津々でフォローしたわけではありません。

そのため、このような手法で増やしたフォロワーは売上に結びつきにくいフォロワーなのです。質の高いユーザーについてもらうためには、まずアカウントの「目的」と「ターゲット」を明確にすることが重要です。

【ポイント2】SNS運用の「目的」「ターゲット」「発信内容」を明確にする

前述した「フォロワーの質」に関わる大事な要素として、SNSアカウント運用の「目的」「ターゲット」「発信内容」を明確にすることがあげられます。意外と目的が不明瞭なままSNSを始めてしまい、なんとなく運用を続けているケースは多いのではないでしょうか?あいまいな目的では、発信の軸が定まりません。

たとえば、スイーツ店のアカウントが自分の愛車を紹介する投稿をしても、ユーザーはそれを期待していません。したがって一度フォローしてくれた人も「あれ?結局このアカウントからは期待した内容が得られないぞ」と感じてしまい、フォロワーが定着しません。

SNSを運用する目的を定め、自身のアカウントが発信する情報でどんな人にどんな状態になって欲しいのか?ということを明確にすると、注力すべきSNSがどれなのか見えてきます。

まずは、目的をはっきりさせることが重要です。たとえば、

  • 今まで取り込めていない20代のユーザーを獲得するため
  • とにかく投稿を拡散して知名度を高めるため
  • すでに買ってくれた人に自社のことをもっと好きになってもらうため
  • 見込み客の購買意欲を高くするため

…などなど、なんのためにSNSを運用するのかを明確にできれば、自社の目的に応じたSNSを選択することができます。「なんとなく流行っているからInstagram」「他社がうまくいっているからTwitter」のような曖昧な基準で運用するSNSを選択すると、報われない努力をすることになるかもしれません。

詳細は省きますが、本記事の事例では、まず「ゼロからのスタート」ということで、お店のことをより多くの人に知ってもらうため、最も拡散性の高いTwitterを最初に選択しました。

目的と注力するSNSが決まれば、次に考えることはどんな人にどんな状態になって欲しいのか。

たとえば、本記事の事例では自社の潜在的な顧客を「スイーツが好きな方」「お酒が好きな方」の2つに絞り、この方たちに「自分のお店のスイーツをスイーツの選択肢として捉えてもらうための情報」を投稿内容の核と決めました。

これらを明確にしてからスタートしたことにより、発信内容やフォロー先、いいね先の選定に迷いなく運用することができています。

たとえば、お酒が好きな方へ向けた投稿として「ウイスキーと合うフレーバーの選び方」や「ワインと合うアレンジ方法」などの投稿をし、それらの投稿に興味を示しそうなユーザーを見つけてコミュニケーションを行いました。

事前にお酒が好きな方に相性の良い情報を数本投稿しているため、プロフィールや投稿を見てくれたユーザーは「お、自分に合いそうなアカウントだな」と感じてくれ、フォロワーになってくれます。いわば、自分のアカウントをターゲットが欲しい情報が集まっている掲示板のようにしておくことが大切です。

投稿の軸がしっかりとできたことで、ユーザーとのミスマッチが起きにくいアカウント運営が可能になりました。その結果、質の高いフォロワーがついてくれています。

【ポイント3】誘導先のWEBサイトをしっかり整備する

SNSの運用の先にはもちろん「売上を上げたい!」という思いがあるはずです。しかし、SNSのユーザーは「何かを買う気満々」でSNSを使っているわけではありません。そのため、売り込み要素が強すぎるアカウントは敬遠されがちです。ビジネスにおけるSNSの役割はあくまできっかけづくり、関係性づくりです。

どのSNSを運用するにしても、SNS上での発信でユーザーが触れる情報は断片的なものになり、SNSだけで情報が完結することは、ほとんどの場合ないでしょう。

そのため興味を持ったユーザーはもっと情報を得るために、高い確率でプロフィールに記載されているホームページなどのリンクを確認します。

その際、いくらSNSを頑張っていても、飛び先のホームページが古くさいものだったり、情報が全然更新されていないものであれば、せっかく見に来てくれたユーザーは離脱してしまいます。そして、フォローを解除するかもしれません。

リンク先のホームページは、せっかく興味を持ってくれたユーザーに、次のアクションを促す大事な部分です。フォロワーを必死で獲得した労力を水の泡にしないように、SNSから誘導するホームページはしっかりと整えておきましょう。

前述のように、ユーザーの購買行動はSNSだけで完結しませんので、ホームページの役割はとても大事です。SNSの断片的な情報で興味を持ったユーザーへ総合的な情報を提供し、より興味関心の度合いを高めてもらう役割を果たすホームページになっているか、冷静に判断しましょう。

本記事の事例では、SNSの短文投稿だけでは伝えることが難しい「品質へのこだわり」や「開業の想い」などのストーリーの部分をホームページに掲載し、ファンになっていただける要素を盛り込んでいます。

また、同店は商品展開が10種類以上あるため、SNSで一気に紹介することができませんでした。たとえ、お店側が全種類の商品をSNSに投稿していたとしても、フォロワーは自分のタイミングでSNSを閲覧するため、すべての商品情報を見るとは限りません。

ホームページは情報の掲載に限りがなく、一覧性のあるページづくりが可能になるので、SNSですべての情報を見ることができなかったユーザーの取りこぼし低減にもつながります。

自社のホームページが、訪れたユーザーにファンになってもらえるような情報が掲載されているか、確認してみてください。そうでない場合は、今すぐストーリー性のあるページを準備しましょう。

その際、一人でストーリーを考えるとどうしてもポエムのような文章になりがちです。独りよがりなストーリーにしないため、ページを客観的に見てくれる人に確認を依頼することをおすすめします。

【ポイント4】SNSユーザーを見込み客にする手段を準備する

いくらフォロワー数を増やしても売上に繋がらない運用の原因として最も多いのが、SNSユーザーを見込み客にする仕組みをもっていないことです。

SNS上では、ユーザーによって自分のタイムラインに流れてくる情報も様々です。たとえどんなに魅力的なキャンペーン情報を発信したとしても、その他の様々な情報に埋もれてしまうがゆえに、ユーザーがその情報を見過ごしてしまうこともあります。

せっかく購買意欲の高いユーザーであっても、その情報に気づかなければ元も子もありません。だからこそ、いつでも必要な情報を届けられるよう、メールマガジンやLINE公式アカウントに登録してもらうことが見込み客化の1番の方法です。

SNSできっかけをつくり、ホームページで興味関心を高め、LINEやメルマガで見込み客になってもらい、購入につなげる。この準備をしっかりすることがSNSでの活動を売上に変える基本的なポイントです。

特に単価の高い商材や、購入頻度が低い商材は、SNSの情報だけで購入することは滅多にありません。継続的にコミュニケーションを取り、接触頻度を高めることが重要です。

とはいえ、「いきなりLINE登録」は敷居が高いのも事実です。ここで活躍するのが前述したホームページです。ホームページ上でLINE登録やメールマガジンの会員登録をおすすめするコンテンツを準備しておきましょう。なお、ホームページにLINEやメルマガへの登録を促す内容を掲載している企業は多いと思いますが、もったいないことに「LINE登録はこちら」と単純な内容しか掲載していないことも多いです。

登録すればどのようなメリットがあるのかをホームページ上でしっかり説明しましょう。

  • 定期的にクーポンを発行
  • 登録者しか見ることができない〇〇の情報をお届け
  • 登録者限定で〇〇をプレゼント

など、登録すればどんなメリットがあるのかを丁寧に説明するだけで、登録率はずいぶん高くなります。

なお、登録時のオファーとしてクーポンなどの値引きが難しい場合は、お役立ち情報をまとめた資料集などでも登録を促すことができます。

  • LINEやメルマガの登録を促す内容をホームページに掲載する
  • 登録すればどんなメリットがあるか丁寧に説明する
  • 登録者限定のオファーを準備する

業種にかかわらず、これらの準備を行うことで、SNSのフォロワーを見込み客にすることができます。見込み客と継続的にコミュニケーションを取れるような仕組みをしっかり作り上げることで、SNSの活動を売上に繋げることが可能になります。

まとめ

SNSの運用を考える際、どうしても「バズる」ことや「フォロワーが増える」ことに執着してしまいがちです。しかし、SNSを運用する本来の目的は売上につながることだと思います。

  • フォロワーの多さ=売上ではない
  • SNS運用の「目的」「ターゲット」「発信内容」を明確にする
  • 誘導先のWEBサイトをしっかり整備する
  • SNSユーザーを見込み客にする手段を準備する

これらの点を理解し、準備することが大切です。じっくり考えたことは意外となかったのではないでしょうか。

なんとなく始めてしまったSNSであっても遅くはありません。今からでも「売上につながるSNS運用」にチャレンジしてみましょう!